【理系のための企業研究】各メーカーの特徴と方針を知ろう 16回目 (化学)信越化学工業

理系企業研究(2021年)

ここでは、理系の方向けに、企業の面接官が重要視するやりたい仕事と企業側の事業方針のマッチングを調べる手助けとして、さまざまなメーカーを取り上げ、いろんな事業情報を基に、その企業の特色と力を入れて取り組もうとしている事業(仕事)が何かを紹介してゆきます。

今回は信越化学工業について取り上げます。

信越化学工業では、「半導体シリコンウエハー」「シリコーン」「塩ビ・化成品」「電子・機能材料」「機能性化学品」の5つの事業領域に組織を分けています。シリコンウエハーの同業他社はSUMCOがいます。信越化学工業の特徴は、海外と比較したときの技術力の差、同業他社のSUMCOと比較して技術面は大きく変わらないものの圧倒的な販売シェア、利益率において勝っていることです。信越化学工業は、どの事業領域においても安定的な成長が行えており、事業のポートフォリオがとれていることを目指していますが、やはり、シリコンウエハーがこの会社の最も強い事業であることは間違いないので、シリコンウエハーの事業を中心に紹介します。

半導体シリコンウエハーは、自然界に存在するSiの含有したケイ石を原料としています。電気炉の放電熱によってケイ石を溶かし、溶けた低純度のシリコンを再び固まらないようにしながら遠心力によって、軽い元素のシリコン(Si)を容器の中央上部に集め、これを冷却しながら固め、ゆっくり引き上げることでシリコンのインゴットを取り出します。これを薄くカットすることでシリコンウエハーが完成します。この工程で技術面に差が出るポイントは2点あります。1点目は、純度を高く安定させて大きな径サイズのインゴットを作れること。大きな径サイズにすればするほど、シリコンウエハのサイズが大きくなり、半導体製造時において、多数の回路を一度に制作できるため、低コストでの半導体基盤が製造できるようになります。(※半導体シリコンウエハからの半導体製造の流れは、次回東芝の紹介で触れたいと思います。)、一方、大きな径サイズのインゴットを作ろうとするほど純度にムラができてしまったり、きれいなインゴットの整形ができなくなってしまします。2点目は、大きなサイズに対しても均一にで平らなウエハにカットできることです。日本の企業は海外に対してこの2点の技術が優れているため、価格的、技術的競争力を保つことができています。

半導体デバイス産業が必要とする様々なシリコン素材の提供が行えるように、シリコン素材の中で、製品ラインナップを増やしてゆくという方針です。今後、種類の増加に伴い生産設備の増築が進められると考えられます。

生産拠点をこれまでと変更することなく生産能力増強を進めてゆく方針です。

これまでエチレンプラントの建設を行いエチレンの原料であるナフサからの塩化ビニル一貫製造を行える環境を構築しています。今後においても、シンテック(アメリカ)での生産拡大をこれからも進める方針です。

機能性化学事業では医療用途・食品用途で事業拡大を進めてゆこういう方針です。

もっと、この会社の事業方針を知りたい方は、会社HPのIR資料を見るとより詳細が知れると思います。また、実際の仕事内容について、どのようなことをするのか知りたい方は、最終的に企業を訪ねるのがベストですが、それによって企業に第一印象を持たれるのが怖い、まだ、そこまでしたくないという方は、転職エージェント経由で仕事内容を教えてもらう方がよいと思います。

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以前、素材メーカの技術職の仕事について紹介しましたので、ご覧いただければと思います

素材メーカーの技術職の大半ってどんな仕事しているの? | もしも目指すなら (mazasunara.com)

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