【理系のための企業研究】各メーカーの特徴と方針を知ろう 15回目 (化学・ガラス)AGC

理系企業研究(2021年)

ここでは、理系の方向けに、企業の面接官が重要視するやりたい仕事と企業側の事業方針のマッチングを調べる手助けとして、さまざまなメーカーを取り上げ、いろんな事業情報を基に、その企業の特色と力を入れて取り組もうとしている事業(仕事)が何かを紹介してゆきます。

今回はAGCを取り上げます。

AGCは、ガラスメーカーである一方、三菱ケミカルや三井化学などのような化学メーカーでもあります。AGCの特徴としては、既存の事業における需要拡大地域を早い段階から見極め、他のメーカより早く海外に事業基盤を築き上げる点です。事業の需要に合わせて生産地域を頻繁に変え、M&Aと事業撤退を繰り返すことで、生産コストを維持でき、業態変化を伴わずにガラス・化学・セラミックの3分野を戦前から継続させています。AGCは「ガラス事業」「電子事業」「化学事業」「セラミック事業」の4つの事業の組織に分けています。

AGC全体では、今後、以下の3分野の需要が伸びると予測し、これらに関連させて各事業の方針を決めています。ライフサイエンスは、薬品会社の買収やM&Aにより事業参入を進めると考えられます。

ガラス事業は、海外がほとんどの製造拠点で、建築用ガラスは、断熱ガラスなどの特殊性能の製造拡販を進めています。しかし、現在十分に利益を出せていないため、成長地域・勝てる地域への選択と集中により一部海外地域の事業を縮小する方針です。一方、自動車用ガラスは、エコカー・自動車運転かに伴うガラスの高機能化ニーズへの対応しながら事業を海外事業の買収により進める方針です。

電子事業では、PCなどの海外の液晶用ガラスの需要家が変わるに伴い供給地域が変わるため、生産拠点をその都度移動させて事業の選択と集中を進めてゆく方針です。一方、国内では、半導体の需要増加に伴い、レーザー部分のガラス素材などの需要が上がることが予想されるため、拡販させてゆく方針です。

化学事業で、苛性ソーダを含むクロールアルカリ製品については、東南アジアで需要が拡大するため、海外での事業拡大を行う方針です。しかし、生産方法が比較的簡易なので一定規模の需要拡大の後、事業を縮小してゆき、生産拠点を変える可能性があります。ふっ素樹脂については、エレクトロニクス需要の高まりが予想され、電子部品であるコンデンサの需要増加か見込まれるため、事業を拡大してゆく方針です。

セラミック事業は、国内需要の増加が見込めず、海外に販売網を増やしてゆく方針ですが、収益増加が見込めない場合は縮小の可能性もあります。

もっと、この会社の事業方針を知りたい方は、会社HPのIR資料を見るとより詳細が知れると思います。また、実際の仕事内容について、どのようなことをするのか知りたい方は、最終的に企業を訪ねるのがベストですが、それによって企業に第一印象を持たれるのが怖い、まだ、そこまでしたくないという方は、転職エージェント経由で仕事内容を教えてもらう方がよいと思います。紹介してもらう目的ではなく、個人では聞きにくい情報を企業に聞くためのツールとして利用してみてはいかがでしょう。

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それも、まだ、早いという方は、以前に素材メーカーの電気技術者の業務内容について投稿しましたので、ご覧ください。

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