地絡時 電圧はどのように変わっていくの?

絵でわかる送配電の仕組み

地絡時の対地間電圧は、発電機側でケーブルの相電圧・線間電圧を維持しようとするため、地絡したケーブルの相の電位が下がった分だけ、中性点電位とその他の相の電位が移動してゆきます。

三相3線式の2回線で送電している健全な回路では、各回線には三相交流電源が流れ、各ケーブルとの対地間電圧は、Ea、Eb、Eⅽと各相の相電圧となります。また、中性点は三相交流ですので0Vとなります。

健全な回路》

次にケーブルの一線(a1相)で地絡が発生した場合、a1相とa2相にかかる範囲の対地間の電圧がすべて常時0Vとなります。一方電源の供給側では、発電機の電源供給が継続される限り、中性点と各相で、電位差と位相(Ea、Eb、Ec)を維持しようとします。

中性点では、a1相、a2相の電圧が0Vになると、中性点とa1相、a2相の電位差を維持しようとするため、中性点の電位は、-Eaの大きさと位相になります。

地絡していないケーブルの相(例:b1相、ⅽ1相)では、電源の供給側の発電機により、各相(例:a1相、b1相、ⅽ1相)の線間電圧の大きさが、維持されます。

地絡した相(例:a1相)の電圧が常時0Vになると、地絡した相と対地間で生じていた電位差の分だけ、地絡していないケーブルの相(例:b1相、ⅽ1相)の電位が変化します。

【地絡時のb1相の電圧変化】

よって、b1相はEb-Ea、c1相はEⅽ-Eaが、対地間で発生するということになります。

以上の結果より、対地間での電位差は、地絡発生前と後で次のように変化することがわかります。

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