コンデンサとリアクトルで位相差が生まれる理由

電気を物理現象のイメージで理解しよう

基本的なことですが、意外と正確に理解できている人は少ないのです。ぜひ、正確な物理現象を知ってください。

コンデンサ

赤は電圧、黄色は電流(電荷の移動量)

コンデンサは、電荷が平板に密集・分散することで電圧が変化します。電荷が密集すると同じ電荷どうしで反力が生まれ、分散すると異なる電荷どうしで引力が生まれます。この反力と引力が電圧です。

交流波形において、電流が大きいときは、電荷が自由に移動し、電荷に反力・引力が加わっていないときです。つまり、電圧が小さいときになりますので、電圧と電流の位相が常に90°(波形の周期の4分の1)ずれることになります。

リアクトル

黄色が電流、緑が磁束、赤が電圧

リアクトルでは、流れる電流の大きさに比例して右ねじの方向に磁束が発生します(アンペールの法則)。空間では、慣性の法則など急激な変化を防止するように力が働くため、リアクトルの内部空間で磁束が変化すると、その変化を妨げようと、逆向きに電流を流すような電圧が誘起します。

リアクトルは、磁束が最も急激に変化するとき、誘起する電圧が最大となります。磁束と電流は比例して増減するため、交流波形では、電流が小さいとき電圧が最大を示します。つまり、こちらもコンデンサと同様に電圧と電流の位相は常に90°(波形の周期の4分の1)ずれることになります。

ここで・・・ん?いままで記載した波形で、時間が早いのが左側なので、

位相が逆では? と気が付いた方はさすがです。

コンデンサ、リアクトルで発生する電圧は、逆起電力なので、常に電源電圧の真逆、180°(波形の周期の2分の1)ずれています。なので、電源電圧に対しては、コンデンサの電流が進み位相、リアクトルの電流が遅れ位相となります。

参考にした本 完全マスター 電験三種受験テキスト 理論(改訂3版)

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