単相2線式、単相3線式、三相3線式、三相4線式、どうして配電方式を使い分けてるの?

絵でわかる送配電の仕組み

単相2線式、単相3線式、三相3線式、三相4線式、これらの配電方式は、人体への安全性と経済性を確保する目的で使い分けられています。

電流が及ぼす人への影響は50mAが致死量といわれています。また、人の人体(服を着ない状態)の抵抗は5000Ω程度とされています。この考え方をもとに家庭や人が滞在する場所では、万が一、配線から漏電して人の手に触れることがあっても、致死レベルの50mAに至ることの無いよう100Vの配線が張り巡らされています。ここに使用されるのが単相2線式です。安全性確保のためなので、家庭や事務所、人のいる滞在する場所のみで使用されます。

しかし、家庭では200Vの電圧でなければ使用できない電気機器もあります。そこで、+100V、-100Vと間にアースをつなぐことで、200Vを使用する機器の近くまで100Vの電圧で配線することを可能にしています。これが単相3線式を使用する目的です。同じく家庭や事務所、人のいる滞在する場所のみで使用されます。

人体への影響を心配する必要のない高さの電柱に引いている電線は、より少ない電線で大量の電流を送れることが理想的です。単相2線式のアース側をすべて統一させた三相4線式の配電では、各配線の電流の周期を1/3周期それぞれずらして送電することで、アース線に電流が流れなくなります。このアース線を取り除くことで、単相2線式で6本の電線を必要としていた線を、3本の電線で可能にします。これが三相3線式を使用する目的です。経済的な効率性から使われるため、長距離の送電・配電で使用されます。

大きな電圧を使用する大型の電気機器(殆どがモータ)は、万が一、一つの線の抵抗が低下し漏電した場合、人に流れれば一瞬で致死量の電流が流れてしまいます。三相4線式は、この漏れ出した電流を確実に電源側に返すため、普段は流れないアース線を一緒に引いています。大型の電気機器の使用の際に安全性確保のため利用されるので、400V、6600V以上を扱う工場で三相4線式は使用されます。

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