【理系のための企業研究】各メーカーの特徴と方針を知ろう 7回目 (繊維)帝人

理系企業研究(2021年)

ここでは、理系の方向けに、企業の面接官が重要視するやりたい仕事と企業側の事業方針のマッチングを調べる手助けとして、さまざまなメーカーを取り上げ、いろんな事業情報を基に、その企業の特色と力を入れて取り組もうとしている事業(仕事)が何かを紹介してゆきます。

今回は帝人を取り上げます。

繊維業が起源ですが、主体としている事業の中にヘルスケア事業があり、繊維とは無縁の医薬品を取り扱っています。また、多数の会社を買収・解散するなど、需要の見通しに対し既存事業の撤退と新規事業の取り入れが比較的早いのが帝人の特徴です。そのため、入社を希望する際は組織の再編が頻繁に行われることを認識しておかなければいけません。しかし、事業の買収・吸収が多いということは、それだけ統合による効果を発揮しやすい体制ができていると言えるため、社員は社会で必要とされる技術を新たな技術を常に遅れることなく学べる環境にあるということです。帝人が求めている人材が「「変化」と糧に成長できる存在 」となっていることからも、新しい技術をどんどん吸収し、自信の成長につなげていきたいと思っている方には向いていると思われます。

帝人では、「環境」・「安全と防災」・「少子高齢化と健康」の3項目に対して以下の項目に関する需要が高まってゆくこと見越し、各事業で関連する事業を拡大する方針を示しています。

では、この戦略目標に対し、各事業の役割分担とそれぞれの事業が目指す形を考えてみましょう。

炭素繊維事業では、航空機・宇宙事業への拡販を行うことを目標と掲げています。そのために、米国のサウスカロライナ州に炭素繊維製造ラインを新設する方針を示しています。この事業は、航空機・宇宙機器の製造が盛んな米国に主軸とすることが予想されるため、この分野の製造に携わりたい場合、最終的に米国への移住となることが考えられます。

複合成形材料・樹脂・アラミド事業はともに自動車の需要増加を拡販を進めています。また、複数の素材の部品を結合させて一体とするマルチマテリアルによる販売が、自動車へ提供している素材メーカーにとって共通の方向性であるため、複合成形材料・樹脂・アラミド事業は、統合した事業をとしての活動となるはずです。帝人の組織図にはモビリティ部門が設けられていますので、連携した事業がさらに拡大してゆく可能性があります。しかし、一方で、アルミや鉄との素材間競争に負けた場合、樹脂事業はスマートフォン・新幹線の窓、アラミド繊維は防護具・ケーブルといった代替素材があまりない販売の先があるものの、複合形成材料に関しては不透明な部分が未だあります。価格競争、循環型社会における適正な資源循環の方法の確立が取り組むべき事業の方向性となるはずです。帝人を含む繊維メーカーは、複合成形材料・樹脂・アラミドなどの事業すべてをマテリアル事業としてまとめていますので、素材は移り変わりが激しいことを念頭に置いています。素材が変わるごとに様々な生産設備が導入され、そのたびに、生産の効率化や環境負荷の対応が繰り返し行われることになると思います。様々な改善業務をこなし、広い経験を積みたい方は、マテリアル事業の仕事に向いているかもしれません。

繊維・製品事業は、事業としては縮小に向かう方向です。

もっと、この会社の事業方針を知りたい方は、会社HPのIR資料を見るとより詳細が知れると思います。また、実際の仕事内容について、どのようなことをするのか知りたい方は、最終的に企業を訪ねるのがベストですが、それによって企業に第一印象を持たれるのが怖い、まだ、そこまでしたくないという方は、転職エージェント経由で仕事内容を教えてもらう方がよいと思います。

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参考 炭素繊維の製造に興味のある方へ

炭素繊維はポリアクリロ二トル繊維、コールタール、石油重質分などを原料として、3段階に分けた加熱を行うことで作られます。生産性を高めるため速度変えれば、原料に与える加熱温度の時間が変り、生産効率が変わってくるため、最適な生産精度の良い方法を構築するための仕事をする機会があるかもしれません。

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