2020年の電気主任技術者の需要動向①

電気主任技術者(体験談)

皆さんが取得に励んでいる電気主任技術者の需要動向が、今後、どのように変わり、新卒の就職や転職にどのように影響していくのか、資格の価値は非常に気になることだと思います。そこで、今回は、不況でも絶対に就職に困ることのない、電気主任技術者の需要動向について紹介したいと思います。

 まず、電気主任技術者の需要に関して、経済産業省の報告書に基づけば、3種は2045年には人口の減少と電気設備需要の増加が逆行するため、現在、需要に対し2.76倍の有資格者がいる状態から(需要8万3千人、3種取得者22万9千人)、需要に対し2.23倍の有資格者の割合に代わって、より需要が増していくことが想定されています。また、電気保安業界では、4000人程度不足するとも記されています。

 必要とされていることは分かると思いますが、就職の有利さにどの程度、働くのか(・・?

イメージし難いですよねぇ。。。

この結果を、より直感的に認識しやすくするため、皆さんもよく知る就職難に強いイメージの国家資格と、それ以外の一般的な国家資格で比較してみましょう。

比較の対象としては、就職難に強く、保有資格を使用する職にしか就かない傾向が想定される例として看護師を、また、一般的な国家資格の代表として、電気主任技術者とよく比較される傾向があり、同程度のレベルとみられるエネルギー管理士を挙げてみたいと思います。

需要に対する有資格者の割合を比較したグラフが以下の結果です。

グラフの算出に当たって、看護師は2008年から2018年にかけて就業者数が88万人から121万人と急激に増えていることを知りました。看護師は、高齢化に伴い、かなり就職難の状況でも強いことが伺えます。そんな看護師の需要に対する有資格者の割合も1.85倍いるわけです。

3種電気主任技術者の指標では、2045年に需要に対し2.23倍有資格者の割合になることが想定されるわけですから、かなり、看護師の状況に近くなるといえますよね。

また、看護師は、それ以外の職に就く可能性は極めて低いですが、3種電気主任技術者の場合は、資格をフルに使うことを目的として就職活動をすることは稀ですよね。給料や職場環境、仕事の内容があっていれば、電気主任技術者の資格を使用しない仕事についている場合がたくさんあると思います。

つまり、そういった面を考慮すれば、企業は今の看護師以上に電気主任技術者の有資格者を集めることが難しくなり、より一層、価値が高まっていくことが想定されます。

一般的な国家資格の代表として挙げたエネルギー管理士は、求人サイトを見ても、決して極端に需要が低いわけではないですから、需要に対し8.08倍の有資格者がいるエネルギー管理士の状況と、需要に対し2.76倍の有資格者がいる現在の3種電気主任技術者の状況を比較しても、とてつもなく3種電気主任技術者の需要が高いことが、ご理解いただけるかと思います。

いかがだったでしょう。一生食べていけると言われている理由が分かったと思います。今後、皆さんが晴れて、電気主任技術者の資格を取得し、社会でご活躍されることを心より祈っております。

グラフの数値が本当かと思われる方もいると思いますので、計算根拠の説明を以下にしておきます。

看護師の需要は2018年の看護師就業者数121万8千人(厚生労働省HPから引用)とし、現状の看護師資格の保有者数は、現状正確な数値を国も算出できていないようなので、毎年の平均取得者数約5万人×45年(21~65歳と想定)=225万人程度と想定しました。看護師資格の保有者数は過去10年の年間取得者推移から想定すると妥当ですが、10年以前を考えると人口も多いので、もう少し多いかもしれません。看護師資格の保有者数225万人を看護師就業者数121万8千人で割ると、看護師は需要に対し1.85倍の有資格者がいる割合となります。

エネルギー管理士の需要は、最低7454人で第―種エネルギー管理指定工場の数となります。2019年時点のエネルギー管理士資格の保有者数は、1997年~2019年までの取得者数の合計ですから60,294人となります。(エネルギー管理士連盟のHPから引用)。エネルギー管理士はそれほど昔からできている資格ではないですし、年齢分布も若年層で多く取得しているので、高齢者による離脱は考えていません。(エネルギー管理士試験・講習センターの資料から推定)

エネルギー管理士の資格の保有者数60,294人を、エネルギー管理士の需要の7454人で割ると、エネルギー管理士は需要に対し8.09倍の有資格者がいる割合となります。

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